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家づくりの断熱のウラ側
COLUMN
2025/10/20

―「あたたかい家」と「結露しない家」は、実はちょっと違う話―

1. 断熱と気密って、何のためにあるの?

家の「断熱」と「気密」は、どちらも快適で長持ちする家に欠かせない仕組みです。

断熱は、家の中の温度を逃がさないための“魔法瓶”のような役割。

気密は、壁や床のすきま風をなくして、空気をコントロールする仕組みです。

この二つがしっかりしていると、少ないエネルギーで家の中を快適に保てます。

でも、どちらかが弱いと「壁の中で起こる結露」という、見えないトラブルが起きることがあります。

2. 壁の中で起こる“見えない結露”とは?

冬、窓ガラスに水滴がついた経験はありませんか。

あれと同じことが、実は壁の中でも起こることがあります。

たとえば、外が0℃、部屋の中が20℃で湿度60%あると、

壁の途中に「10℃くらいまで冷える場所」ができます。

そこに空気中の水分が触れると、水滴(=結露)が発生します。

これが何年も続くと、壁の中がジメジメして、木が腐ったり、カビが生えたりしてしまいます。

3. 断熱材の種類で、“乾き方”が変わる

どの断熱材でも「結露のきっかけ」は同じです。

でも、「もし湿気が入ってしまったときに、どれくらい乾きやすいか」が違います。

ウレタン吹付断熱(発泡スプレータイプ)

壁の中に発泡ウレタンを吹き付けて、すきまなく埋めるタイプです。

断熱性能はとても高く、気密も取りやすいのが特徴です。

ただし、水を通さない性質があるため、

もし湿気が入りこんでも外に逃げにくいという弱点があります。

つまり、「結露が起きたら乾かない構造」になりやすいのです。

グラスウール断熱(ふわふわ綿タイプ)

ガラス繊維でできた綿のような断熱材を、袋に入れて壁に詰めていくタイプです。

湿気を通す性質があるので、

きちんと防湿シートと通気層を組み合わせれば、乾きやすい壁になります。

ただし、施工の丁寧さが命です。

少しでもすきまがあると性能が落ちやすいため、職人の腕が試されます。

プレウォール工法(パネル式の壁)

工場で「構造・断熱・防湿」を一体化してつくる、完成した壁パネルを現場で組み立てる工法です。

精度が高く、性能も安定しやすいのがメリットです。

しかし、断熱材(ウレタン)と合板がぴったりくっついているため、

もし水や湿気が入ると乾きにくい構造になってしまいます。

雨の侵入や、わずかな気密のずれがあると、

壁の中でカビが発生することもあるので注意が必要です。

4. 結露が起きるとどうなるの?

結露が続くと、見えない場所でいろいろな問題が起きます。

・木材が黒ずむ(カビ)

・壁の内側の板が膨らむ

・断熱材が湿って性能が落ちる

・シロアリが寄りやすくなる

しかも、これらは家の中からは見えません。

外壁を壊して初めて気づくケースがほとんどです。

5. 結露を防ぐための三つのポイント

1. 湿気の逃げ道をつくる

外壁の裏には「通気層」と呼ばれるすきまを作り、湿気を外に逃がせるようにします。

2. 室内側で湿気をコントロールする

「防湿シート」や「可変透湿シート」を使い、

冬は湿気を止め、夏は逃がす。

まるで呼吸する壁のようにするのが理想です。

3. すきまをなくす(気密)

サッシまわり、コンセント、天井のつなぎ目など、

少しのすきまが大きな差になります。

どんな断熱材でも、“気密の施工精度”が性能を決めます。

6. まとめ:「結露しない家」は“乾ける家”

大切なのは、断熱材の種類よりも、

「もし湿気が入っても乾ける構造にしておくこと」です。

ウレタンは“閉じる家”。

グラスウールは“呼吸する家”。

プレウォールは“仕上がった家”。

それぞれに良さと弱点があります。

家づくりでは、「どんな断熱材を使うか」よりも、

「どうやって湿気を逃がすか」を一緒に考えていくことが大切です。

これが、長く快適に暮らせる家をつくるための、本当の“断熱と気密”の話です。

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