水回りの床にはどんな素材を使いますか?
安藤建築事務所では水回りの床は磁器質タイルやセラミックタイルが標準です。
通常、水回りにはクッションフロアが一般的だと思いますが、
これもまた寿命という観点でタイルが標準です。
クッションフロアは数年で変色、10年もすれば張替えのタイミングになります。
タイルの場合は寿命が非常に長く、40年以上使えるほど長寿命です。
ただし、これらにもメリットとデメリットが存在します。
まずは、クッションフロアのメリットは
とにかく安いです。そして、クッション性があるので足触りが柔らかいです。
施工性が良く施工日数が短い、張替えもしやすいです。
デメリットは
陳腐化しやすい。経年劣化が早い、剥がれなどの劣化もでる。
経年により、素材の触り心地が変化する。寿命が短い
次にタイルのメリットですが
とにかく寿命が長い。自然素材で作られているので、陳腐化しにくく
熱を蓄える力もあります。表面強度が強く、傷などにも強い
色が剥げるようなことが起こりにくい。高級感がある
デメリットは
かなり高いです。そして、それなりに工期がかかります。
目地材の色にもよりますが、目地が変色しやすい。
ペットがいる場合、目地におしっこをすると黄ばみ、浸透していく危険性があります。
性能の低いお家の場合、タイルがキンキンに冷えて真冬に素足で歩けない。
このようにクッションフロアとタイルでは全く違った性質を持ちます。
個人的にはお家の暖かさ水回りの暖かさが担保されない場合は
つかわない方が良いと思います。毎日ストレスになります。
クッションフロアも冷たいですが、比じゃありません。
そして、わんちゃんのいる家庭も要注意です。
しっかりとトイレトレーニングができていれば問題ありませんが、
これはリスクの一つになります。
そして、高気密高断熱かつ第一種換気を採用しているお家
または床暖房を採用しているお家以外には使わないようにした方が良いと思います。
熱伝導率はフローリングに比べて圧倒的に高いので、
寒いお家にはNGです。
ここまで書くとクッションフロアの方がいいんじゃないかという
方もいらっしゃると思います。
あくまで、安藤建築事務所ではタイルを選択しているということです。
私たちが求めるものはお客様の暮らしの質です。
長寿命でノーメンテ・ローメンテが目的です。それにより生涯コストが下がります。
そして、確実な暖かさを実現できるからこそ、問題なく使用できると思っています。
タイルと寒さの件については、おいおい省エネ性能の話の時にあらためて触れたいと思います。
最後に、私たちができるだけノーメンテ・ローメンテを追及するかというと
日本のこれまでの文化、スクラップ&ビルドを食い止めたいのです。
持続可能なクリーンでグリーンな未来の形成のためには、できるだけ
手をかけずに長持ちする素材を使うことがマストだと思っています。
そして、少しでも自然素材から作られるものを使用することで環境負荷を抑えたいと思っています。
良いものを長く使う。それだけで私たちの暮らしは豊かになり、未来の地球を守ることに繋がります。