北陸では、外部のウッドデッキのほとんどが、樹脂系のウッドデッキを
使用しています。木質系と樹脂を組み合わせたデッキも多いです。
安藤建築事務所では、ウッドデッキにも素材への強い思いがあります。
屋久杉という言葉はみなさんご存じかもしれません。
屋久島が世界遺産に認定され、伐採が禁止されている樹齢1000年以上の木です。
屋久島地杉とは樹齢60年~50年以下の人工林のことをいいます。
屋久島は365日雨が降るといわれるくらい、雨の多い地域でそこで育つ木々は
一般的な杉に比べ、防蟻・防ダニ・リラックス効果が高く、
強度も通常の1.2倍ほど強い特殊な性質を持ちます。
通常の杉よりもゆっくり育つ分、油分も多く、外構材に非常に適した素材です。
また、人工林をつくることで、自然を守る。
森林資源を活性化することで、適切な間伐が行われ、植林も盛んになることで
環境への負荷も低減できます。
私たちはこの取り組みに賛同しています。
これまで日本は木材の大量消費の末、とても優秀な青森ヒバという木材を
住宅ではほとんど使えないような状況にまで伐採し尽しました。
昔は住宅の土台や柱などで当たり前に使用されていましたが
今では、一部の建具材や浴槽などの限られた部分でしか使えないほどに、
数も少なく、価格も高騰しています。
安藤建築事務所でも、青森ヒバに匹敵する樹種を使用したいという想いで
土台や柱には類似した米ヒバ(アメリカやカナダのヒバ)を使用していますが
できれば青森ヒバを使いたい思いがあります。
こういったことが起こらないようにしっかりと管理をしながら良いものを
使い続ける、植林する、間伐するこれらのルーティーンを経て森林が守られると
思っています。
屋久島地杉も特殊な環境が生み出した耐久性は外構材としてはとても優秀で、
一般的にデッキ材で最も優秀とされるハードウッドや鉄木と呼ばれる
素材に比べ、コストが半額くらいになります。
耐久性では及びませんがコストパフォーマンスに優れたとても優秀な素材です。
屋内外共に使用が可能で、無塗装で使っていただけます。
耐久性ももちろんのこと、リラックス効果の高い香りが心を落ち着かせ、
ストレスを緩和します。
毎日の雑踏から少しだけホッとできる空間をつくるのも私たちの大切な理念です。
新建材の樹脂のデッキは確かに腐らないし、ささくれや劣化もしにくいです。
ですが、そこに暮らす方々の心に少しでも響くような素材を選びます。
たかがデッキ材かもしれませんが、私たちにとっては住宅づくりの大切な素材で
暮らしの質を高める重要な役割を担っています。