今更ながら高気密高断熱住宅について書こうと思います。
今でこそ聞きなれた言葉ですが、実はまだまだ本当のところの理解は難しいところです。
そもそも、どのくらいのレベルならば高気密高断熱と言って良いのでしょうか?
「石川県 高気密」と調べると様々な会社が出てきますが、これも自由に書けて
しまうのがやっかいなところです。
本来は高気密高断熱=暖かい家であるはずが、暖かい家の基準が曖昧なため、
現状誰でも高気密高断熱を謳えるような世の中です。
そして、もっと厄介なのは、断熱性能を表すUA値は図面上の計算だけで
成り立ってしまうため、本当に性能の通り施工されているかは全く別の話になります。
唯一、気密性能を表すC値だけは現場での測定になりますので嘘はつけません!
ただ、C値の検査も100%ではありません。
ズルをしようと思えばできないことはないのです。
ここで、最も大切なことが一つだけあります。
嘘をつかないことです。もちろん建築会社側がです。
設計上のUA値は計算式などが添付されるため、現在のこどもみらい応援補助金
等を取得する場合はそんなに心配はいりません。
問題はその先です。
本当に設計図書に記載されている断熱材が入っているか、適切な施工がなされて
いるか、これを毎日現場で監視するのは不可能です。
だからこそ、建築会社は嘘をついてはいけません。
C値も同じです、気密測定のタイミング、その後の施工方法により、本当のC値は
大きく変わります。
だからこそ住宅の建築には信頼関係が不可欠です。
デザインは見ればわかるかもしれませんが、壁の中身は信頼という言葉なしでは
成立しません。
そして、断熱・気密工事はそんなに容易ではないということを理解する必要があります。
誰でもできるものではありません。
ましてや、どのような工法でどのような理屈でそうなっているのかを
説明できない会社だったならば絶対にダメです。
なぜ、UA値がその値なのか、なぜC値がその値なのか、
そこをしっかりと説明することが僕はなによりも大切なことだと思っています。
にわか高気密高断熱住宅は最悪の場合、構造体の中で予期せぬ隙間、熱橋により
壁体内結露が生じ、構造を腐らせる原因となります。
どのように断熱をし、どのように気密をしているのか、それはどんな素材なのか
それを説明できることは最低限だと思っています。
その上で、数値があり、施工があります。
2020年に義務化水準だった省エネ性能が見送られ、その代わり、説明の
義務という形になりました。
ということは、性能をちゃんと説明する義務は発生するのです。
自分の家のUA値はいかほどなのか。ぜひ聞いてみましょう。
実は説明している会社は思いのほか少ないかもしれません。
ちなみに安藤建築事務所では
UA値 0.35~0.4
C値 0.3以下
という値にしております。
UA値はエアコン1台で暖房冷房を賄えることを目的とし、
C値は熱交換器式第一種換気が正常に機能する値としております。
ちなみにC値はここ最近ずっと0.1です。
中間検査は義務付けておりますが、完成はご希望があればとしております。
完成の気密検査でも基本的に0.1という数値なので、
完成時はどちらでもよいかなという感じです。
高気密高断熱住宅は言ったもん勝ちのように思うかもしれませんが、
実は掘り下げていけば本当にそうなっているのかどうなのかはわかります。
ちゃんと説明ができない会社は施工もそのくらいのレベルと思って良いと思います。
逆にその部分に並々ならぬ想いがある会社は必ず食い気味で説明をしてくれるはずです。
その辺を見極めるのはお客様の目になります。
本当に暖かい家を手に入れたい方はぜひ、その辺を注意してみていただければと思います。