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無垢材が減っていく時代に
COLUMN
2026/05/25

先日、久しぶりに銘木の買い付けに行ってきました。

世の中的には、無垢のテーブルや床材などはどんどん減っている印象がありますが、実際の市場はどうなのか。

残念ながら、やはり衰退の一途を辿っているように感じます。

特に、和風建築で使われてきたケヤキなどの銘木は顕著です。

重厚な素材感と美しい木目で人気だったケヤキですが、今の家づくりのニーズとは少し方向性が違います。

さらに現在では、「贅沢品」という扱いになり、一般的な住宅会社では無垢材のデメリットばかりが語られることも多く、使用頻度は年々減っているように感じます。

ですが、安藤建築事務所では、無垢材を使わないという選択肢はありません。

むしろ、家の根幹をつくる大切な素材のひとつだと考えています。

私たちは、単に雰囲気や高級感のためだけに無垢材を採用しているわけではありません。

無垢材がなぜ昔から高級品として扱われてきたのか。

その理由を考えた時に、私たちがたどり着く答えは、
「圧倒的な耐久性」と「経年美化」です。

例えば、北欧家具として有名なYチェアは、30年〜50年、きちんと手入れをすれば一生使えるとも言われています。

年月とともに少しずつ色味や艶が変化し、使い込むほど美しくなっていく。

新品が完成ではなく、時間を重ねることで価値が深まっていく素材です。

私たちは、無垢材の本質はそこにあると思っています。

質感や高級感は、その結果として自然についてくる副産物のようなものなのかもしれません。

10年ほど前までは数十万円していた銘木の板も、今では物によっては数万円で手に入ることも珍しくありません。

市場としては厳しい状況ですが、見方を変えれば、今は本当に良い素材を手に取りやすい時代でもあります。

少なくとも、無垢のテーブルは人間より長生きです。

親から子へ。
子から孫へ。

そんなふうに受け継いでいける素材です。

もちろん、現代の暮らしとの相性を考えると、難しさがあるのも理解できます。

重たい。
取り回しもしづらい。
物を持ちすぎない暮らしを好む方にとっては、少し扱いづらい存在かもしれません。

実際、市場周辺の銘木屋さんも少しずつ廃業に追い込まれています。

だからこそ私たちは、
無垢材の良さも難しさも、等身大で伝えていきたいと考えています。

毎日、素足で触れる床。
毎日、手で触れるテーブル。

そこが無垢材であるということは、思っている以上に暮らしを豊かにしてくれます。

素材は、単なる見た目ではありません。

耐久性があり、
時間とともに美しくなり、
暮らしの記憶まで刻み込んでいく。

そういった素材の価値も、
これからの家づくりの中で丁寧に伝えていけたらと思っています。

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