先日の業界紙での表紙のタイトルでした。
僕たちの業界では今まさに性能競争の真っただ中なのです。
この本文にも書いてありますが。
一般的な住宅会社でも少しづつ性能に力をいれるところも増えてはきましたが、
やってもZEHレベルかG1グレードがまだまだ多いです。
UA値でみると6地域で
UA値0.87が次世代省エネ等級4(現在の住宅性能表示ではここがMAX)
UA値0.60がZEH基準
UA値0.56がG1レベル
UA値0.46がG2レベル
UA値0.26がG3レベル
となっています。
一応エアコン一台で全館回せるレベルがG2あたりと言われていますが、
これに関しては建物のサイズやエアコンのサイズ、人によって違う面も
でてくると思います。
ただ、今議論されているところはこの基準となるG2では
快適とは言えないのではないかという点です。
その一方で性能を追求するあまり、快適に暮らすことを置いといて、
とにかく性能で一番をとるというスタンスの会社もでてきています。
私たちが忘れてはならないことは居住者は
日本一の性能の家を求めているのではなく
快適に暮らせる家を求めているという点です。
実際にG2グレードとG3グレードでの費用対効果を考えたときに
現行の省エネ基準と比較すると
G2グレードで約20~25年でかかった費用を回収できるのに対し、
G3グレードの場合は80年以上かかるという試算結果も出るくらいなのです。
なぜここまで違うかというと、
G2グレードは充填断熱材で収まる性能ですが、
G3グレードとなるとほとんどが付加断熱を必要とするからなのです。
そもそも私たちがしなければいけないことはどこで建てても暖かいのが基準で
その上でデザインや素材から会社を選んでいけるというのが本来あるべき姿ではないでしょうか?
お客様が一生懸命性能の勉強しなければ暖かい家が建たないという
環境後進国の日本ならではです。
まずは日本全体の底上げが必須です。
その上で本当にG2では性能が足りるかどうかをもっともっと議論していくべきだと思います
ちなみに安藤建築事務所ではG2.5くらいのレベルです。
UA値でいうと0.35~0.37が一番多く、一面をほとんど窓にした場合で0.4くらいになるイメージです。
当然エアコンは1台で、暖房室や床下エアコンなんてものは一切必要ありません。
普通に壁掛けエアコンでシーリングファンをつければ十分です。
ただし、家をワンルームと考えるので、プランには工夫が必要です。
願わくば、国が低炭素住宅に補助金を出すのであれば
その上のG1やG2レベルの家に対して追加の補助金を出してくれれば
最高だなーと思います。
そーすればもう少し性能に関して一般の方が興味を示すのではないかと思います。
住宅の性能を上げることはもちろん大切なことですが、それにまつわる
費用対効果や、性能至上主義にならないように気をつける必要があります。
今回の話はあくまでUA値についてです。あくまで計算で出せるものです。
本当に大切なことは施工です。数値通りの性能を出すほうがよっぽど難しいので
ちゃんと会社を見極める必要があります。