金沢市の閑静な住宅街に建つ、延床26坪+ロフト4坪の超高気密・高断熱住宅。
ミリ単位で高さを調整した6層構造が、コンパクトな家に驚くほどの広がりをもたらします。
この家の最大の特徴は、高さと用途を緻密に組み合わせた立体的な空間構成。
天井を下げられる場所は極限まで抑え、視線や空気をつなげたい部分は積極的に高さを活かす。
その絶妙なバランスによって、限られた床面積の中に、奥行きと抜け感を持った空間の広がりを生み出しています。
すべてがつながるけれど、それぞれが意味を持つ。
玄関の土間はリビングとゆるやかにつながり、リビングはキッチンへ、
キッチンからはダイニングやワークスペースへと連続的に展開。
それぞれの空間は段差で緩やかに区切られ、場所の用途や性質に意味を与えています。
光の扱いとプライバシーの両立。
玄関の土間には掃き出し窓を設けていますが、これは視線を抜くためではなく、
あくまで自然光を取り入れるための開口として配置。
その配置と高さの工夫により、外からの視線を遮りながら、光だけを室内に落とすという
絶妙なプライバシー設計がなされています。
縦に、斜めに、流れるようにつながる一体空間。
6層に重なる空間は、単に段差を作るのではなく、空間同士の距離や関係性を操作しながら構成されています。
視線の動きが斜めに抜け、空間が立体的に広がることで、小さな家であることを感じさせない奥行きが生まれます。
一方で、1階のパーソナルスペースはしっかりとゾーニング。
つながりと独立性が共存する、バランスの取れた空間設計です。
「小さな家は、狭くない。」
その答えが、この高さとつながりで構成された6層の住まいにあります。
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