企業努力とは一般的に価格を安くするための謳い文句として使われます。
日本の飲食産業は特にこの企業努力というものが大好きです。
今、この企業努力が限界をむかえようとしています。
飲食業界でも10%以上の価格アップを余儀なくされ、一斉に値上げの流れです。
給料は上がらないのに物の価格ばかりが上がっていく
スーパーインフレ時代にいよいよ突入です。
なぜそうなったのかというと、企業努力という名の搾取を続けてきたからに
他なりません。
日本の企業は社員よりも内部留保や株主還元に力を入れているので、
一向に給料は上がりません。
2011年から日本の企業の内部留保は9年間連続で過去最高を更新しており、
社員に還元されていない現状が浮き彫りになっています。
会社の社員は巡り巡って顧客になります。
しかし、給料は上がらないのに、物の価格が上がれば当然消費は減ります。
岸田内閣では社員の賃上げに伴い法人税の控除率を上げる法案をまとめました。
しかし、これだけでは意味がないと考えています。
もっと大切なのは中小企業などの下請けへの賃上げがうまくなされるかどうかです。
価格競争を続ければ社員への搾取が終わることはありません。
当然元請けの大手は会社を選べるので安いところを探すでしょう。
その結果、大手の社員は確かに潤うかもしれませんが、社会全体で見ると
格差が広がる一方です。
僕個人の意見では、物やサービスの価格を上げることには賛成です。
薄利多売ではいつか必ず限界がくると考えているからです。
人口減少の中で、働き手や顧客がどんどん減っていく中で数での勝負は
割りに合いません。
損をするのは必ず社員です。
日本は給料は上げないが失業はさせないというやり方でしたが、
いよいよその給料を上げないということが限界に来ています。
このままいくと国民の大半が貧困層になります。
物の値段を上げる=社員の給料を上げる
これに尽きると思います。
だからこそ、会社の利益率をしっかり上げてブランディングすることが重要なのです。
目先の低価格では継続が不可能です。
本当の意味での企業努力がこれからもっとも重要になっていくのです。
消費者からすると企業努力でこんな中でも価格は据え置きです。
なんて言われるとついついそっちにいってしまいがちですが、
必ず誰かへの搾取の上に成り立っていると考えなければなりません。
ちなみに良い企業努力もいっぱいあります。
大量に仕入れることで輸送費を下げたり、社員の人数に対して何倍も
仕事を受注すれば当然利益は残せますし、そのための効率化であれば
これは良い企業努力となります。
建築業界でも社員や職人に対しての搾取はとても多いです。
うちのスタッフから聞いた話ではある建築会社のボーナスがみかんだったとか・・・
うけ狙いなのかと思いましたが本当にそんなことがあるみたいです。
職人さんへは最初の見積もりから5~10%値引かせたうえで、
施工後にさらにその金額から5~10%値引くなんて話もザラです。
過去30年の負の遺産をここで断ち切り、新たな社会を構築するタイミングなのかもしれません。
僕らも小さいながら様々な企業努力を試みております。
先日も各現場に材料を配達してきました。
2tロングをレンタカーして、各現場に配達してきました。
最近は配送料もかなり高額で、一棟ごとに床や外壁材を発注したのでは一物件でも数十万円の差額になります。
小さなことではあるかもしれませんが、
大量にストックすることでコスト減+質の高い素材の確保ができています。
良い物は安くありません。
工夫して少しでも利益率を確保しながらお客様にも還元できるように
しなければなりません。
コロナ禍の今こそ、次の日本への第一歩を踏み出す時だと思います!!
今年ももう終わってしまいますが、来年もよろしくお願いいたします。